むし歯は重症化すると痛みを感じなくなる?
[2020.05.07]皆さんこんにちは。
入間市の歯医者さん「豊岡歯科診療所」です。
むし歯は、重症化するほど痛みなどの症状も強まるように思えますよね。
実際、初期のむし歯では痛みを感じることはありませんが、軽度から中等度へと進行していく中で、痛みはどんどん強くなっていきます。
けれども、ある時を境に痛みを感じなくなることがあります。
ここで安心して治療を受けず、そのまま放置してしまう人もいらっしゃるのですが、それはとても危険なことです。
風邪や食あたりというのは、体の免疫力が働くことで、自然に治ることがほとんどです。
内科で処方される薬も解熱剤や鎮痛剤など、あくまで対症療法でしかありません。
一方、むし歯というのは、放っておいても自然に治ることのない病気ですので、その他の病気とは根本的に異なるものであると考える必要があります。
とはいえ、風邪や食あたりのように、日常生活に支障をきたすような痛みがなくなれば、わざわざ病院に行こうとは思いませんよね。
「痛みがない」ということは、症状が安定しているか、治癒へと向かっていると考えるのが普通です。
けれども、むし歯に関しては例外で、「痛みを感じなくなった」ということは、痛みを感知する神経まで死んでしまったことを意味するのです。
歯質が崩壊して、歯の神経まで侵食されても、むし歯菌がいなくなることはありません。
歯根の部分が残っている限りそこで繁殖を繰り返しますし、根っこの先にまで感染を広げることもあります。
それだけに、痛みを感じなくなっても放置せず、適切な治療を受ける必要があるのです。
このように、むし歯は重症化する過程で歯の神経が死に、痛みを感じなくなりますが、それは治癒を意味するものではありません。
むしろそこからさらに悪化するリスクもあるため、できるだけ早期に治療を受ける必要があります。
残根状態となった歯質を抜歯するだけでも、歯茎や周囲の歯への悪影響を抑えることが可能となります。